古民家移住の現実が見えてきた( 後編 )

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前回からの続き(後編)でございます。
超ど田舎に移住すると移住者情報は町の噂となります、マジで!
話題性がないのでちょっとした変化はすぐに噂のネタになるのが田舎あるある。
僕の噂なんて町の人ほとんど知ってるんじゃないかなぁ?
石垣島から横田地区のあの家に入った人みたいに、どこで挨拶しても知っているという状態、まぁ、話が早いからこっちも対応がしやすいし、話をすると、また、話が広がるから何度も同じ話をしなくてもすむ利点もある。

人付き合いは濃密だし遠慮がない、僕も遠慮しない(笑)
貰えるものはもらうし、図々しく甘えてる。
近所のおいちゃんとおばちゃんとはすでに仲良しで、茶のみ友達、今日は餅つきするから食べに来い!
うおぃ、たらふく餅を食べました、すると喜ばれるという現象が起きる!
家に帰ると玄関に野菜が置いてある、もちろん誰が置いて行ったかなんて分からないし、気にしない、ありがたく頂いてます、あざっす。
昨日は、玄関に謎のバックが?
開けるとダウンジャケットが3着?
職場に電話があって置いていった人が判明、これから雪片たしがあるから作業用に使え、俺のお下がりだけどな!
ありがたいっす。
今日は、近所のおいちゃんが欅のテーブルいるか?
もちろんもらうに決まってるでしょ、欅のテーブルなんて貴重なものまで頂けるなんてありがたいっす。
まぁ、毎日こんな感じ。
みなさん親切で気にかけてくれて心配してくれて本当に感謝です。

ちなみに僕はお金がないと公言してます(笑)マジでないから!
そうするといろんな物が集まって来る、僕は飾らない事にしてるんですよ田舎暮らしにみえも外見もいらないっす。
ありのままで暮らす事がなんと楽なことか!

田舎暮らしに見栄はいらん!

そして玄関に何か置かれている事に不安な人は田舎暮らしは出来ないよ、誰が置いて行ったか分からない野菜なんて怖くて食べれな〜いなんて可愛く言ってるあなた、食べましょう!
もらいましょう、それが田舎の流儀なのです。
郷に入れば郷に従えってやつですよ、それも最初の1年くらいでしょ、そうこうする内に集落の一員として溶け込んでるはずだから。
ルーキーの今の内に甘えさせてもらい、それから少しずつ自分の出来る範囲でお返しすればOK。
あっ、ちなみにウチの玄関には鍵がかかってません、なので誰でも入ってこれる、なんとも不用心なんだけど泥棒と熊以外はウエルカムでございます。

そして古民家の現実!
それは千差万別だから一概に言えないので僕の例で話を進めますね。
0円古民家を譲ってもらい、1階の片付けが大体終わり全体像が見えてきた、家のダメージで言えば築111年の10年放置状態だったこの古民家、極上の部類だと思う。
囲炉裏の部屋から奥座敷まで家の土台に束石の上に土台の木が地面を沿うように通ってるんだけど、一部が腐りにより落ちてる。
落ちてるから沈んでるんだけど、土台の木を交換すれば傾きは直る。
写真の赤い線がその場所

土台交換をすれば直るので大した問題はない、1番心配だったのはシロアリさんだったんだけど被害はなかった!
ある意味、奇跡!
土台の腐りの原因は床下の脇に古い木材を積み重ねて地面の上に重ねてあった物が腐り、土台に接していたので一緒に傷んでしまったのが原因だった、なのでシロアリを心配したんだけど床下の土はサラサラ乾燥で一安心。
畳がベコベコしてる箇所もあるんだけどこれは畳の劣化だと判明、かなり古い畳も混ざっているのでその場所がベコベコしてた。
あと、お風呂は灯油ボイラーなんだけど、まだ使ってないため使用出来るかは不明。
水は奇跡的に水漏れもなく使えた、役場の人は覚悟しておいてって言ってたけど栓を開ける時、立ち合いでドキドキしたけど無事に水が出て検査でも問題なし。
よっしゃって思わず声が出た!
結果、築111年の10年放置状態だったこの古民家に普通に住んでる僕がいます。

1番苦労しているのが何度もお伝えしている残置物の片付け!
多分、空き家バンクで古民家を購入する人が直面する問題が残置物。
ちなみに、金山町では残置物処理に20万円の補助金が出ます。
なのに僕は自分で処分している、不思議でしょ?
あまりにも量が半端ないので僕も補助金で処分しようと業者さんに見積もりを出してもらう事にして見に来てもらったんです。
すると、10年前に1度見積もりを出したと、なぬ?
実は売主さんが業者さんに処分をお願いしてたけど、その時の見積もりがなんと

100万円

はい?
イヤイヤ、補助金使っても80万かかるやん!
そんな金ないし。
で、
業者さん:以前より量が減ってるけどかなりかかるよと

:で、おいくら万円くらい?

業者さん:ん〜っ、見積もり出さないと分からないけど補助金使うよね?

:使います。

業者さん:じゃ、役場にも連絡して見積もり出しますね、まぁ、80万くらいかな?

:お願いします、ちなみに僕、本当にお金ないので!

業者さん:大物が多くてトラックが入れるスペースがないからね

そして出てきた見積もりは25万円だった。
普通ならラッキーと思うだろうね、でも、僕は足元見て商売しやがってと思った。
なぜなら、以前の見積もりが100万〜80万円なのに、『 僕、本当にお金ないので 』の一言で25万になるか?
町外の業者でそこしか頼める業者がない、ある意味、言い値商売だ、僕は町の税金である補助金を使って町外の業者に25万を払うのがアホらしくなった。
そんな金を払うなら自分の軽トラで処分場に持ち込めばタダなので大変だけど持ち込み処分を選択したんです。
持ち込み費用は町が負担してくれるので、まぁ、それも補助金と同じだね、でも片道1時間30分かかるので1日に2回しか持ち込めないのでメチャ大変だけど、すでに6往復してる。

でも、この選択は正解だったと思ってる、ゴミを選別した事でこの古民家の歴史や背景が分かる資料を発見したり、写真から歴史を感じることができた事で愛着が半端なく爆上がり。

業者に頼んでたらやったー片付いたっで終わってたと思うんよね。
この古民家の歴史を辿ると、中丸城が金山町にあって城主が山内家、その家老がこの古民家の主人である事が判明、元は武家でありその後、大正元年にこの古民家が建てられているんだけど、その頃には農家で豪農だったらしい。
屋号が玉川屋で人に兵を合わせたヤマヘイがこの古民家の旗頭となっていたそうで、お膳などにこのマークが入っている。
僕も、はじめはこれなんのマーク?って感じだったけど、旗頭だとわかり納得。
そういう歴史も自分で残置物を処分することで明らかになったし、貴重な資料やモノを残す事ができた。

古民家を探し購入するまでも大変だけど、手に入れてからはさらに大変、登記名義変更、片付け、古民家再生と一筋縄では行かない事ばかり。
でも、これだけは言える。

古民家は最高だ!

この古民家が再生されお披露目できた時、僕は人生最高の幸せの絶頂を感じる事になるのだろう。
これから補助金を使わせてもらいながら古民家再生をしていくけど、元の作りが最高なので最強の古民家に生まれ変わる事でしょう。
この古民家、大正元年に腕利の職人を呼んで最高の建材で建てられてるんだって、10年空き家で換気もされてなかったのに痛みが少なかったのは、最高の建材と職人が建てたかららしいよ。
さすが家老の本家!
この辺りは大体、2階建ての家が多いんだけど、平屋なんだよねこの家。
そこがこだわりなんだって、お金があった家は平屋建てにすることが多いらしいっす。
そんな由緒ある古民家を譲ってくれた大家さんに感謝っす。
そして大切に語り継ぎ、これからもこの古民家が残っていくように尽力して行きます。

12BASE / 移住情報配信基地として古民家民宿は玉川屋として運営していこうと考えてます。
屋号、玉川屋と旗頭のヤマヘイは引き継いで行きたいなぁと思うのです。
歴史を繋いでいく事がこの古民家を引き継いだ僕の使命だと思う。
これからも、12BASEとして移住情報配信基地の役割はこれから移住を検討している方のお役に僕の体験談が少しでも立てれば幸いです。

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